中学生に先取り学習・予習が必要な理由と効果的なやり方
「授業のスピードについていけない」「テスト前になると毎回あわててしまう」。そんな中学生に試してほしいのが、授業より少し先に教科書を読んでおく先取り学習・予習です。この記事では、予習が役立つ理由と、やりすぎないための注意点、教科別の具体的なやり方を紹介します。
先取り学習・予習とは? 復習とのちがい
この記事でいう予習は、次の授業で習うところを前もって読んでおくこと、先取り学習は、もう少し先の単元まで自分で進めておくことです。どちらも「授業より少しだけ先を歩いておく」という点は同じです。
一方の復習は、授業で習ったことを思い出して、解けるようにする勉強です。勉強の中心はあくまで復習ですが、予習を少し足すだけで、授業そのものが「2回目の勉強」に変わります。
| 予習・先取り | 復習 | |
|---|---|---|
| タイミング | 授業の前 | 授業のあと |
| 目的 | 全体をつかむ・わからないところを見つける | 習ったことを解けるようにする・忘れないようにする |
| かける時間 | 短く(1教科10〜15分) | しっかり(問題を解く時間をとる) |
| 完璧さ | わからなくてもOK | 何も見ずに解けるまで |
大事なのは、予習は「完璧に理解する」ためのものではないということです。「ここがわからなかった」と気づければ、それだけで予習は成功です。
先取り・予習をするとよい4つの理由
1. 授業が「2回目の復習」になる
予習で一度読んだところは、授業で聞くと「あ、これ読んだところだ」と思えます。はじめて聞く話より、2回目の話のほうがずっと頭に入りやすいものです。授業の時間がそのまま1回目の復習になるので、家での勉強も楽になります。
2. 質問が具体的になる
予習をしていないと、わからないことがあっても「なんとなく全部わからない」となりがちです。予習をしておくと、「例題の2行目から3行目がどうしてそうなるのかがわからない」のように、どこがわからないのかがはっきりします。質問が具体的だと、先生も答えやすく、授業中にその部分を集中して聞けます。
3. テスト前に余裕ができる
授業がわかっていると、ふだんの復習やワークが早く進みます。その分、テスト前にまちがえた問題を解き直す時間がとれるようになります。テスト前の進め方は定期テストで90点以上取る勉強法でもくわしく紹介しています。
4. 高校受験の総復習の時間がとれる
中3になると、学校の授業で新しい単元を習いながら、中1・中2の内容も入試に向けて復習しなければなりません。中3の内容を少しずつ先取りしておくと、受験前に総復習に使える時間が増えます。ただし、学校によって授業の進み方はちがうので、まずは学校の授業と並行して進めるのが基本です。受験勉強を始める時期については高校受験の勉強はいつから始める?も参考にしてください。
先取りで気をつけたい3つの注意点
先取りはよいことばかりではありません。やり方をまちがえると、かえって成績が下がることもあります。次の3つには気をつけましょう。
先に進みすぎて基礎があいまいになる
「どんどん先に進むこと」が目的になると、1つ1つの単元がなんとなくわかったつもりのまま終わってしまいます。とくに数学や英語は、前に習ったことを使って次のことを学ぶ教科です。土台がぐらぐらのまま先に進むと、あとで大きくつまずきます。
学校の授業を聞かなくなる
「もう知ってるから」と授業をしっかり聞かなくなるのは、いちばんもったいない使い方です。先生は授業で、教科書にはのっていない考え方や、テストに出やすいポイントを話してくれます。授業態度は内申点にも関わることがあるので、予習した分だけ授業で答え合わせをするつもりで聞きましょう。
無理な量を計画する
やる気があるときほど、「毎日1時間先取りする」のような大きな計画を立てがちです。でも、部活や宿題がある中で続けるのはたいへんです。続かない計画は、立てないのと同じです。最初は1日10分から始めて、なれてきたら少しずつ増やしましょう。
どのくらい先取りする? 時期ごとの目安
どこまで先に進めばいいかは、時期によって変わります。GoRoute+では、次の目安をおすすめしています。
| 時期 | 先取りの量 | 1日の時間の目安 |
|---|---|---|
| ふだんの日 | 次の授業の分〜1単元先 | 1教科10〜15分 |
| 定期テストが終わったあと | 次の単元の最初の部分 | 1教科15〜20分 |
| 夏休み・冬休み・春休み | 次の学期・次の学年の最初の単元 | 1日30〜45分 |
| 定期テスト2週間前〜 | 先取りはお休み | 復習に集中 |
長期休みの先取りは、「最初の単元だけ」にしぼるのがポイントです。新しい学期や学年のスタートで「わかる!」と思えると、そのあとの授業にも前向きに取り組めます。冬休みの過ごし方は中学生の冬休みの勉強計画にまとめています。
先取りは「読む→例題→基本問題」の順番で
先取りでよくある失敗は、いきなり問題集を開いて解こうとすることです。習っていない内容の問題は解けなくて当たり前なので、やる気がなくなってしまいます。次の順番で進めましょう。
- 読む(3〜5分):教科書の説明を読んで、太字や見出しから「今日はどんなことを学ぶのか」をつかむ
- 例題(5分):教科書の例題を、解き方を見ながら1行ずつノートに写して、なぜその式・その答えになるのかを考える
- 基本問題(5分):例題とよく似た基本問題を2〜3問だけ解いてみる。解けなくても気にしない
- 授業で確かめる:わからなかったところに印をつけておき、授業ではそこを集中して聞く
3まで終わって基本問題が解ければ、授業では「確認」のつもりで聞けます。解けなかった場合も、どこでつまずいたかがわかっているので、授業の聞き方が変わります。
教科別のやり方と1週間の予定の例
数学:教科書の例題を読んでから基本問題
- まずは教科書の例題を読み、解き方の流れをノートに写す
- 例題の数字を変えただけのような基本問題を2〜3問解く
- 新しい用語(「係数」「関数」など)は、意味を一言で言えるか確かめる
数学は前の単元の知識を使うことが多いので、例題の途中で前に習った計算があやしいと気づいたら、そこを先に復習しましょう。苦手な単元の戻り方は数学が苦手な中学生の克服法でくわしく紹介しています。
英語:新出単語と本文の音読
- 次に習う本文の新出単語の読み方と意味を確認する(つづりを書くのは授業のあとでOK)
- 本文を2〜3回音読する。読めない単語に印をつける
- 新しい文法が出てくる文に線を引き、「どんな意味になりそうか」予想しておく
英語は、音読できる文は理解しやすい教科です。教科書の音声が聞ける場合は、まず聞いてからまねして読むとよいでしょう。
理科・社会:図・資料を見て用語をつかむ
- 本文をすべて読むより先に、図・写真・グラフ・地図を見て、何について学ぶのかをつかむ
- 太字の用語を拾い出し、どの図と関係があるかを確かめる
- 理科の実験は「何を調べる実験か」だけ読んでおくと、授業の実験がわかりやすくなる
理科・社会は用語が多いので、予習で用語を「見たことがある」状態にしておくだけでも、授業の内容がぐっと頭に入りやすくなります。
国語:本文を読んで分からない言葉に印
- 次に習う文章を一度通して読む
- 意味がわからない言葉や読めない漢字に印をつける。時間があれば辞書で調べる
- 物語なら「登場人物」、説明文なら「何についての文章か」をメモしておく
国語の予習は、内容をくわしく理解することより、文章の流れを知っておくことが目的です。あらすじがわかっていると、授業で気持ちや表現について考えることに集中できます。
1週間の先取り予定の例
部活がある中学生が、平日に無理なく予習を入れる場合の例です。毎日すべての教科をやる必要はありません。次の日に授業がある教科を中心に、1日15〜20分くらいを目安にしましょう。
土曜日など時間がとれる日は、数学の次の単元の例題に少し多めに取り組むのもおすすめです。日曜日は先取りをお休みして、その週に習ったことの復習にあてると、先取りと復習のバランスがとれます。
授業の前に「教科書のような説明を読む→例題を1ステップずつ確かめる→確認問題→基礎の問題」と進めたい人は、GoRoute+ の「先取りルーム」も使えます。ホームの「先取りルーム」やメニューの「先取り」から、まだ習っていない単元の授業を無料で受けられます。例題を1ステップずつ進めるので、「読む→例題→基本問題」の順番をそのまま練習できます。GoRoute+ のトップページを見る
先取りに向いている子・向いていない時期
先取りが向いている子
- 授業のスピードが速いと感じている子
- 前の学年の内容は、だいたい理解できている子
- 授業中に質問したり、手をあげたりするのが苦手な子(予習で疑問をはっきりさせておける)
- 部活がいそがしく、テスト前に時間がとりにくい子
先取りより復習を優先したほうがよいとき
次のようなときは、無理に先取りをせず、まず復習で土台を固めましょう。
- 基礎が不安な単元が多いとき:前の学年の内容で「わからない」単元がいくつもあるなら、先に進むより戻るほうが近道です
- 定期テストの2週間前から:テスト範囲の復習とワークの解き直しを優先します
- 学校の宿題や提出物が終わっていないとき:提出物は内申点に関わることもあるので、こちらが先です
- 疲れていて集中できない日:その日は休んで、次の日に回しても大丈夫です
先取りは「やらなければいけないもの」ではありません。今の自分に合っているかどうかで決めましょう。
まとめ
- 予習・先取りをすると、授業が2回目の復習になり、質問が具体的になる
- ふだんは次の授業の分〜1単元先、長期休みは次の学期・学年の最初の単元が目安
- 進め方は「読む→例題→基本問題」の順番。わからないところは授業で確かめる
- 基礎が不安な単元が多いときやテスト前は、先取りより復習を優先する
予習は1日10分からでも始められます。まだ習っていない単元を、例題から一歩ずつ確かめながら進められる学習アプリを使えば、ひとりでも先取りを続けやすくなります。
よくある質問
Q. 予習は毎日どのくらいの時間やればいいですか?
ふだんの日は1教科10〜15分ほどで十分です。教科書を読んで例題を1〜2問なぞるくらいの量にして、残りの時間は復習や宿題に使いましょう。予習に時間をかけすぎて復習ができなくなるのは本末転倒です。
Q. どのくらい先まで先取りすればいいですか?
ふだんは「次の授業の分」から「1単元先」までが目安です。夏休みや冬休みなどの長期休みには、次の学期や次の学年の最初の単元に少し手をつけておくと、休み明けの授業に入りやすくなります。
Q. 基礎が不安なのに先取りしてもいいですか?
前の学年の内容であいまいな単元が多いときは、先取りより復習を優先しましょう。とくに数学や英語は前の内容を使って新しいことを学ぶので、土台が不安なまま先に進むと、かえってわからない部分が増えてしまいます。
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