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数学2026.10.10 ・ GoRoute+編集部

数学が苦手な中学生の克服法

「授業についていけない」「計算はできるのに文章題になるとわからない」「何回やってもミスが減らない」。数学が苦手な人の多くは、頭が悪いのではなく、どこかの単元でつまずいたまま先に進んでいるだけです。この記事では、つまずきの見つけ方から、計算ミス・文章題の対策、解き直しノートの作り方まで、苦手を克服する手順を紹介します。

数学が苦手になるのは「前の単元」でつまずいているから

数学は、ほかの教科とくらべて単元どうしのつながりがとても強い教科です。社会なら「歴史は苦手だけど地理は得意」ということがありますが、数学では前に習ったことを使って次の単元を学ぶため、どこか1か所でつまずくと、その先の単元もわからなくなってしまいます。

たとえば、中2の連立方程式がわからない人の中には、じつは中1の方程式や文字式の計算でつまずいている人が少なくありません。さらにさかのぼると、正負の数の計算や、小学校の分数の計算があやふやなこともあります。

小学校の分数・小数から、中1の正負の数・文字式・方程式、中2の連立方程式・1次関数、中3の2次方程式・関数y=ax²へとつながる単元のつながりを示した図
数学の単元は、下の土台の上に積み重なっている

つまり、「今の授業がわからない」ときに今の単元だけを何回やり直しても、原因になっている前の単元が直らないかぎり、なかなか解けるようにはなりません。逆に言えば、つまずいた場所さえ見つかれば、数学の苦手は取りもどせるということです。

今わからない単元原因になりやすい前の単元
方程式(中1)正負の数の計算、文字式の計算、分数の計算
比例・反比例(中1)文字式、座標の読み方、割合・比
連立方程式(中2)1次方程式、文字式の計算(かっこをはずす・同類項)
1次関数(中2)比例、座標、方程式
展開・因数分解(中3)文字式の計算、指数(2乗)の計算
2次方程式(中3)因数分解、平方根、1次方程式

どこまで戻ればいい?つまずきの見つけ方

「前の単元に戻る」といっても、中1の最初から全部やり直すのは大変です。時間をむだにしないために、次の手順で戻る場所をしぼりこみましょう。

  1. 今の単元の基本問題を5問ほど解く:教科書の例題や、ワークの最初のほうの問題を、何も見ずに解いてみます。
  2. まちがえた問題の「どこで」止まったかを見る:式は立てられたのに計算でまちがえたのか、そもそも式が立てられなかったのかを分けます。
  3. 止まった部分に使われている前の単元を確かめる:計算でまちがえたなら、その計算(正負の数、分数、かっこのはずし方など)の基本問題を解いてみます。
  4. スラスラ解ける単元が見つかるまでさかのぼる:自力で8割ほど解けた単元が「土台」です。その1つ上の単元から進み直します。
今の単元の基本問題を解き、8割以上解けたら今の単元を練習、解けなければ1つ前の単元に戻ることをくり返すフローチャート
「8割解けるか」を目安に、戻る場所を決めよう
ワンポイント戻ることは、はずかしいことではありません。中2・中3の人が中1の計算に戻っても、基本の単元は1つあたり数日〜1週間ほどで取りもどせることも多いです。急がば回れで、土台から固めたほうが、結果的に早く追いつけます。

戻るときに使う教材

計算ミスを減らす5つのコツ

「やり方はわかっているのに、計算ミスで点を落とす」という悩みもよく聞きます。計算ミスは「うっかり」だから仕方ない、と思われがちですが、ミスにはその人ごとのくせがあります。くせがわかれば、対策もできます。

1. 途中式を省かない

計算ミスの多くは、頭の中だけで計算したところで起こります。とくにマイナスのついたかっこをはずすときや、分数の通分では、1行ずつ途中式を書きましょう。ノートの右はしで小さく計算するのではなく、行をかえて、ゆったり書くのがコツです。

2. 符号(+・-)を最初に決める

正負の数のかけ算・わり算では、まず答えの符号を決めてから数字の計算をします。「マイナスが奇数個ならマイナス、偶数個ならプラス」のように、手順を決めておくとまちがえにくくなります。

3. 字をていねいに書く

「6」と「0」、「1」と「7」、「x」と「×」を自分で読みまちがえるミスは、意外と多いものです。xは「かけ算の×」と区別できる形で書く習慣をつけましょう。

4. 答えを確かめる

方程式なら、出た答えをもとの式に代入して、左辺と右辺が等しくなるかを確かめます。文章題なら、答えが問題の場面に合っているか(人数がマイナスや小数になっていないかなど)を見直します。

5. 自分のミスを記録する

いちばん効果があるのが、自分がよくするミスを記録することです。テストやワークでまちがえたら、「符号ミス」「かっこのはずし忘れ」「写しまちがい」などの種類に分けて、正の字で数えてみましょう。

ある中学生が1か月間に記録した計算ミスの種類別の回数の例を示した棒グラフ。符号ミスがいちばん多い
ミスを種類ごとに数えると、自分の「くせ」が見えてくる(例)

記録してみると、「自分は符号ミスが多い」「問題の写しまちがいが多い」など、自分だけの弱点がはっきりします。テストの見直しでは、そのミスを重点的にチェックしましょう。

文章題は「読み方」の手順を決めれば解ける

文章題が苦手な人は、問題文を読みながら、いきなり式を立てようとしていることが多いです。文章題は、式を立てる前の「整理」がいちばん大切です。次の4つの手順で取り組んでみましょう。

手順やること例(速さの問題)
① 求めるものに線何を答えればいいのかに、二重線を引く「家から駅までの道のりを求めなさい」
② わかっている数に線問題文の数字と単位に線を引く分速60m、分速180m、合計20分
③ 図や表にまとめる線分図・表に、わかっている数を書きこむ「歩いた」「走った」の2行の表をつくる
④ わからない数をxとおく表のあいている所をxにして、等しい関係を式にする歩いた時間をx分とすると、走った時間は(20-x)分

とくに③の「図や表にまとめる」を飛ばさないことが大切です。速さ・割合・食塩水などの問題は、表にすると「たて」や「よこ」の関係から式が見えてくるものがたくさんあります。

ワンポイント文章題の答えを見ても式の意味がわからないときは、解説の式の1つ1つが「問題文のどの部分から出てきたのか」を、問題文に矢印で書きこんでみましょう。式と文章がつながると、次から自分で式を立てやすくなります。

よく出る文章題のパターン

パターンごとに「表の形」を覚えておくと、初めて見る問題でも手が止まりにくくなります。

解き直しノートで「できない問題」を「できる問題」に

数学の力がのびる人とのびない人の大きな違いは、まちがえた問題をどうするかです。答えを赤ペンで写して終わりにすると、同じ問題がテストに出ても、また解けないことがよくあります。そこでおすすめなのが解き直しノートです。

解き直しノートの1ページの書き方の例。左に問題と自分の答え、右にまちがえた理由と正しい解き方、下に解き直した日のチェック欄
解き直しノートは「まちがえた理由」を書くのがポイント

解き直しノートの作り方

  1. まちがえた問題を書き写す(コピーをはってもよい)
  2. 自分のまちがえた答えも残す:消さずに残すことで、どこでまちがえたかがわかります。
  3. まちがえた理由を一言で書く:「符号ミス」「公式をおぼえていなかった」「図をかかなかった」など。
  4. 正しい解き方を、自分の言葉で書く:解説を丸写しせず、ポイントを短くまとめます。
  5. 日をあけて、何も見ずに解き直す:次の日・3日後・1週間後など、日をあけて解き、できたらチェックをつけます。

解き直しは何も見ずに、最初から最後まで自力で解けたら合格です。チェックが3つそろった問題は「卒業」にして、まだできない問題だけをくり返します。テスト前には、このノートを見直すだけで、自分の苦手な問題を効率よく復習できます。

問題をくり返して覚えるコツは、暗記のコツの記事も参考にしてください。

毎日の数学の勉強は「少しずつ・毎日」

数学は、1日にまとめて3時間やるより、毎日20〜30分つづけるほうが力がつきやすい教科です。計算は、しばらくやらないとすぐに手がおそくなってしまうからです。

時間内容の例
最初の5分計算問題を5問(前の単元の復習もまぜる)
次の15分今日の授業でやった単元のワークの問題
最後の5〜10分解き直しノートから2〜3問

苦手な人ほど、授業があった日のうちに、その日の例題をもう一度解くことを習慣にしましょう。わからない問題は、次の日に先生や友だちに聞けるように、付せんをはっておきます。

質問するときのコツ

先生や友だちに質問するときは、「全部わかりません」ではなく、「この式の2行目から3行目がわかりません」のように、どこで止まったかを具体的に伝えると、短い時間でわかりやすく教えてもらえます。そのためにも、自分で考えたところまでの途中式をノートに残しておきましょう。教えてもらったら、その日のうちにもう一度、何も見ずに解き直すことも忘れずに。

保護者の方へ:家庭でできるサポート

まとめ

「自分がどの単元でつまずいているのかわからない」という人は、診断テストで苦手な単元を見つけて、そこからレベルに合った問題を出してくれる学習アプリを使ってみるのもよいでしょう。

よくある質問

Q. 数学が苦手なとき、どこまで戻って勉強すればいいですか?

今の単元の基本問題を解いてみて、まちがえた問題に使われている前の単元までさかのぼります。たとえば方程式が解けないなら、文字式の計算や正負の数の計算ができるかを確かめます。自力で解ける単元が見つかったら、そこから順番に進み直しましょう。

Q. 計算ミスが多いのはどうすれば直りますか?

途中式を省かずに書くこと、自分がよくするミスを書き出して見直しのときに重点的に確かめることが効果的です。ミスを「うっかり」で片づけず、どんな種類のミスが多いかを記録すると、対策が立てやすくなります。

Q. 文章題が苦手です。何から始めればいいですか?

いきなり式を立てようとせず、問題文を読んで「わかっていること」と「求めるもの」に線を引き、図や表にまとめることから始めましょう。わからない数をxとおく練習をくり返すと、式が立てやすくなります。

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