暗記が苦手を得意に変える方法
「覚えたはずなのに、テストになると出てこない」「何回やっても単語が覚えられない」。暗記が苦手な人の多くは、記憶力が悪いのではなく、覚え方とくり返し方を知らないだけです。この記事では、忘れにくい覚え方のコツを、教科別のポイントといっしょに紹介します。
暗記が苦手な人に多い3つのパターン
「自分は暗記が苦手だ」と感じている人も、覚え方を少し変えるだけで、結果が大きく変わることがあります。まずは、自分が次のパターンに当てはまっていないか確かめてみましょう。
| 暗記が苦手な人 | 暗記が得意な人 | |
|---|---|---|
| 覚えるタイミング | テスト前にまとめて一気に覚える | 毎日少しずつ、何回にも分けて覚える |
| 覚え方 | 教科書やノートをながめるだけ | 書く・声に出す・何も見ずに思い出す |
| 確認のしかた | 「見ればわかる」で終わり | 答えをかくして、言えるか・書けるかを確かめる |
また、「一度にたくさん覚えようとして、途中でいやになってしまう」という人も少なくありません。暗記は、1回に覚える量を少なくして、回数を増やすほうがうまくいきます。たとえば英単語なら、1日に50個を1回でやるより、10個ずつを何回かに分けるほうが、結局たくさん覚えられます。
暗記が得意な人は、特別な記憶力を持っているわけではありません。「くり返す回数」と「思い出す練習」が多いだけなのです。
なぜ忘れるの?くり返しのタイミングが大切
人は、一度覚えたことでも、時間がたつにつれて少しずつ忘れていきます。これはだれにでも起こる自然なことで、忘れること自体は悪いことではありません。大切なのは、忘れかけたころにもう一度思い出すことです。
思い出すたびに記憶は少しずつ強くなり、次に忘れるまでの時間が長くなっていきます。つまり、同じ時間を使うなら、1回で長くやるより、間をあけて何回かくり返すほうが覚えやすいのです。
おすすめのくり返しのタイミングは、次のとおりです。
- 覚えたその日のうち:寝る前などに、もう一度さっと確認する
- 次の日:何も見ずに思い出せるか確かめる
- 3日後くらい:忘れていたものだけをもう一度覚え直す
- 1週間後くらい:まとめて確認し、まだあやしいものに印をつける
きっちりこの日でなくてもかまいません。「1回覚えて終わり」にしないことが、いちばんのポイントです。
「書く・声に出す・説明する」で記憶を強くする
目で見るだけの暗記は、覚えたつもりになりやすく、なかなか定着しません。いくつかの方法を組み合わせて、体のいろいろな部分を使って覚えるようにしましょう。
書いて覚える
英単語や漢字のように、テストで「書く」ことが求められるものは、実際に手を動かして書くのが一番です。ただし、何十回も同じ字を書き続けるより、2〜3回書いたら答えをかくして、何も見ずに書けるか試すほうが効果的です。
声に出して覚える
声に出すと、目と口と耳を同時に使うことになり、だまって読むよりも記憶に残りやすくなります。英語の教科書の音読や、社会の用語を声に出して読むのがおすすめです。家族に聞いてもらうのもよいでしょう。
人に説明するつもりで覚える
自分で説明してみると、「なんとなく知っている」と「本当にわかっている」のちがいがはっきりします。理科や社会の用語は、言葉だけを覚えても、意味がわかっていないと問題に答えられません。「光合成ってなに?」と聞かれたときに、自分の言葉で説明できるかを確かめましょう。説明できないところが、まだ理解できていないところです。
すき間時間・寝る前・朝を暗記の時間にする
暗記は、机に向かって長い時間がんばるよりも、短い時間を何回も使うほうが向いています。1日の中には、思っているよりもたくさんのすき間時間があります。
- 朝ごはんのあとの5分:前の日に覚えたことを思い出す
- 学校の休み時間:次の授業の小テストの範囲を確認する
- 通学の時間:単語カードや、まとめたメモを見る(歩きながらは危ないのでやめましょう)
- おふろの時間:覚えたことを声に出して言ってみる
- 寝る前の10分:その日に覚えたことをさっと見直す
すき間時間に使えるように、単語カードや小さなメモ帳など、持ち歩きやすい形にしておくと続けやすくなります。また、「休み時間は英単語」「おふろでは社会の用語」のように、時間と覚えるものをセットで決めておくと、何をやるか迷わずにすみ、毎日の習慣にしやすくなります。
寝る前と朝を味方にする
眠っている間に、その日に覚えたことが頭の中で整理されると一般的にいわれています。そこでおすすめなのが、寝る前に覚えて、朝に思い出すという組み合わせです。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 寝る前の10分 | その日に覚えた単語や用語を、もう一度さっと見直す。新しいことをたくさん詰めこむより、確認が中心 |
| 朝の5分 | 寝る前に見直したものを、何も見ずに思い出せるか確かめる。思い出せなかったものに印をつける |
ただし、暗記のために睡眠時間をけずるのは逆効果です。夜おそくまで起きていると、次の日の授業に集中できなくなってしまいます。寝る前の暗記は短い時間で切り上げ、しっかり眠りましょう。
教科別・暗記のコツ
英単語
- 「見て意味がわかる」と「書ける」を分けて練習する:テストでは書けないと点になりません。日本語を見て英語を書く練習を必ず入れましょう。
- 発音しながら書く:つづりと音をいっしょに覚えると、つづりのまちがいが減ります。
- 例文の中で覚える:単語だけでなく、教科書の文の中でどう使われているかを見ておくと、文法問題や英作文にも役立ちます。
漢字
- 書けなかった漢字だけを集める:もう書ける漢字を何度も練習するのは時間のむだです。まちがえた漢字だけのリストを作りましょう。
- 部首や形の意味に注目する:「さんずいは水に関係する」のように、部首の意味を知っておくと覚えやすくなります。
- 熟語や短い文で覚える:読みと書きの両方を、言葉として覚えると忘れにくくなります。
理科・社会の用語
- 用語と意味をセットで覚える:一問一答だけでなく、「その用語を説明する文」も言えるようにしましょう。
- 図・地図・グラフといっしょに覚える:理科の器具や体のつくり、社会の地名などは、図の中の場所と結びつけると思い出しやすくなります。
- 似ている用語はくらべて覚える:「動脈と静脈」「関税と消費税」のように、まぎらわしいものは表にしてちがいをはっきりさせましょう。
歴史の年代
- 語呂合わせを上手に使う:「いい国つくろう」のような語呂合わせは、年代を覚えるのに役立ちます。自分で作ると、さらに忘れにくくなります。
- 出来事の「流れ」で覚える:年代をばらばらに覚えるより、「何が起きて、その結果どうなったか」という流れで覚えると、並べかえ問題に強くなります。
- 年表を自分で書いてみる:何も見ずに年表を書けるか試すと、抜けている部分がよくわかります。
覚えたかどうかは「テスト形式」で確かめる
暗記でいちばん大切なのは、何も見ずに思い出す練習をすることです。教科書を何度も読み返すよりも、答えをかくして自分でテストをするほうが、ずっと記憶に残りやすくなります。
- 答えをかくす:赤いシートや手、紙などで答えを見えないようにする
- 思い出して書く・言う:すぐに答えを見ず、少し考えてから答える
- 答え合わせをする:まちがえたもの、思い出すのに時間がかかったものに印をつける
- 印のついたものだけをくり返す:全部をやり直すのではなく、苦手なものに時間を集中させる
「思い出せなかった」という経験は、失敗ではありません。思い出せなかったものこそ、覚え直したときに記憶に残りやすいのです。まちがえることをこわがらずに、どんどん自分をテストしてみましょう。
まちがえたものは、すぐにもう一度テストするだけでなく、少し時間をおいてから、もう一度テストするのがおすすめです。その場では言えても、時間がたつと忘れていることがよくあります。時間をおいても言えたら、それは本当に覚えられた証拠です。教科書の太字や、ワークの問題をそのまま一問一答にして使うと、自分でテストを作る手間もかかりません。
保護者の方へ:家庭でできるサポート
- 単語カードや一問一答の問題を出す役になってあげると、子どもは楽しみながら「テスト形式」の練習ができます。
- 覚えられなかったことを責めるより、昨日より言えるようになったことを見つけてほめてあげると、暗記を続ける力になります。
- 夜ふかししてまで覚えようとしているときは、早めに寝るように声をかけてあげましょう。
まとめ
- 人はだれでも忘れるもの。間をあけて何回もくり返すことで、記憶は長持ちする
- 見るだけでなく、書く・声に出す・説明するを組み合わせて覚える
- すき間時間、寝る前と朝を使って、短い時間を何回も
- 覚えたかどうかは、答えをかくしたテスト形式で確かめる
「いつ、何を見直せばいいのか自分で管理するのは大変」という人は、テストの日に合わせて毎日の復習まで自動で組み立ててくれる学習アプリを活用してみるのもおすすめです。
よくある質問
Q. 暗記は1日にどれくらいの時間やればいいですか?
長い時間を1回とるより、10〜15分を1日に何回かに分けるほうが覚えやすくなります。朝・休み時間・寝る前など、すき間時間を使って少しずつくり返しましょう。
Q. ノートにきれいにまとめれば覚えられますか?
まとめるだけでは覚えたことになりません。まとめたあとに、何も見ずに書けるか・言えるかを確かめる「テスト形式」のくり返しをすることで、はじめて覚えられます。
Q. 一度覚えたのに忘れてしまうのはなぜですか?
人は一度覚えたことでも、時間がたつと自然に忘れていきます。これはだれにでも起こることです。忘れかけたころにもう一度思い出すことをくり返すと、記憶が長持ちするようになります。
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