勉強に集中できない中学生へ:スマホとの付き合い方と集中のコツ
「机に向かっても、ついスマホを見てしまう」「気づいたら1時間たっていた」。勉強に集中できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。スマホは、つい手に取りたくなるように作られているものです。この記事では、がまんにたよらずに集中できる仕組みづくりを、スマホのルール・時間の区切り方・環境づくり・家庭でのルール決めに分けて紹介します。
集中できないのは「意志が弱いから」ではない
「スマホを見ないようにしよう」と思っていても、通知の音が鳴ったり、画面が光ったりすると、つい手がのびてしまいます。これは、だれにでも起こることです。スマホのアプリや動画は、次々と見たくなるように工夫して作られているからです。
しかも、勉強の途中で一度スマホを見ると、「ちょっとだけ」のつもりが10分、20分と長くなりがちです。スマホを置いて勉強に戻っても、さっき見たメッセージや動画のことが頭に残って、すぐには集中が戻りません。
だから大切なのは、がまんする力をきたえることではなく、がまんしなくてもすむ仕組みをつくることです。この記事で紹介するのは、次の4つの仕組みです。
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| ① 置き場所 | 勉強中はスマホを目に入らない・手が届かない場所に置く |
| ② 時間のルール | 使う時間を先に決めて、勉強の「ごほうび」にする |
| ③ 時間の区切り方 | 25分集中+5分休憩で、短い集中をくり返す |
| ④ 環境と家庭のルール | 机のまわりを整え、家族で約束を決める |
スマホの置き場所を決める
スマホとの付き合い方で、いちばん効果が大きいのが置き場所です。机の上に画面を下にして置いていても、「通知が来ているかも」と気になってしまうものです。おすすめの置き場所を、効果が大きい順に並べると次のようになります。
- いちばんのおすすめ:別の部屋に置く。リビングの決まった場所に「スマホの充電場所」をつくって、勉強中はそこに置いておきます。
- 別の部屋がむずかしいとき:カバンや引き出しの中。目に入らず、取り出すのにひと手間かかる場所に、通知を切ってしまいます。
- さけたいのは:机の上、ひざの上、ポケットの中。すぐ手に取れる場所にあると、無意識にさわってしまいます。
勉強にスマホを使うときは?
英語の音声を聞く、わからない言葉を調べる、学習アプリを使うなど、スマホは勉強の道具にもなります。ただし、勉強のつもりで開いたのに、気づいたら関係のない動画を見ていた、ということもよくあります。勉強に使うときは、「何に何分使うか」を決めてから手に取り、終わったらすぐ元の場所に戻すようにしましょう。
使う時間のルールを先に決める
「勉強が終わったら好きなだけ見ていい」にすると、勉強中も「早く見たい」という気持ちが続いてしまいます。反対に「一切使わない」は、長くは続きません。おすすめは、使う時間を先に決めておくことです。
- 使う時間帯を決める:「夕食後の20分」「勉強が終わってから寝る1時間前まで」など、時間帯で決めます。
- ごほうびにする:「数学のワークを2ページ終えたら15分」のように、やることとセットにすると、勉強のやる気にもつながります。
- タイマーを使う:使い始めるときに、スマホ以外のタイマー(キッチンタイマーなど)をセットすると、時間を守りやすくなります。
- 寝る前は使わない:寝る直前まで画面を見ていると、寝つきが悪くなりやすいと言われています。寝る1時間前にはスマホを充電場所へが目安です。
テスト前の1週間は、ふだんより使う時間を少なめにするなど、時期によってルールを変えるのもよい方法です。テスト前の過ごし方は、定期テスト1週間前の勉強法の記事でもくわしく紹介しています。
25分集中+5分休憩で、集中力を保つ
集中力は、長い時間ずっと続くものではありません。そこでおすすめなのが、25分勉強したら5分休むというやり方です。「ポモドーロ・テクニック」とも呼ばれ、多くの人が仕事や勉強に取り入れています。
やり方
- やることを1つ決める:「英単語を20個」「数学のワーク1ページ」など、25分で終わりそうな量にします。
- タイマーを25分にセットして始める:この間は、そのこと1つだけに集中します。
- タイマーが鳴ったら5分休む:区切りが悪くても、いったん手を止めます。
- これを4回くり返したら、15〜30分の長めの休憩をとります。
時間を区切ると、「あと10分だけがんばろう」と思えるので、だらだら机に向かうよりも集中しやすくなります。25分が長く感じる人は、15分+5分から始めて、なれてきたら少しずつのばしていきましょう。
休憩の5分の使い方
| おすすめの休憩 | さけたい休憩 |
|---|---|
| 立ち上がってのびをする、水を飲む、窓の外を見る、トイレに行く | スマホで動画やSNSを見る、ゲームをする、横になる |
休憩中にスマホを見ると、5分で終わらずに勉強に戻れなくなることが多いです。休憩はスマホ以外ですごすのがコツです。
集中が切れてしまったときは
25分の途中で、「あのメッセージに返事をしなきゃ」「明日の持ち物は何だっけ」と、別のことが頭にうかぶことがあります。そんなときは、すぐにスマホを取りに行くのではなく、手元のメモ用紙に一言だけ書いておくのがおすすめです。書いておけば忘れないので安心でき、休憩の時間や勉強のあとにまとめて片づけられます。
また、どうしても集中できない日は、問題を解くのをやめて音読や書き取りなど、手や口を動かす勉強に切りかえてみましょう。ぼんやり問題をながめているより、体を動かすほうが頭が勉強モードに戻りやすくなります。それでもだめなら、むりに続けずに早めに寝て、次の日の朝に回すのも一つの方法です。
| こんなとき | こうしてみよう |
|---|---|
| 別のことが気になる | メモに一言書いて、あとで片づける |
| ねむくなってきた | 立ち上がって5分休憩。水を飲む、顔をあらう |
| 問題がむずかしくて手が止まる | 印をつけて飛ばし、解ける問題から進める |
| どうしてもやる気が出ない | 「5分だけ」とタイマーをかけて始めてみる |
集中しやすい環境をつくる
スマホ以外にも、集中をさまたげるものは意外と多くあります。勉強を始める前に、机のまわりを整えておきましょう。
- 机の上には、今使うものだけ:マンガやゲーム機、使わない教科書は、目に入らない所にしまいます。
- 使う道具は先にそろえる:消しゴムや定規をさがして席を立つと、そこで集中が切れてしまいます。
- 部屋を明るくする:手元が暗いと目がつかれやすくなります。机のライトも使いましょう。
- 音に気をつける:テレビの音が聞こえる場所はさけます。家族に「この時間は勉強する」と伝えておくのもよい方法です。
- 自分の部屋で集中できないときは場所を変える:リビングの机や、図書館の自習スペースなど、人の目がある場所のほうが集中できる人もいます。
平日の夜の時間の使い方(例)
スマホのルールと25分集中を組み合わせると、平日の夜はたとえば次のようになります。部活や塾の有無によって時間はちがうので、自分の生活に合わせて調整してください。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 19:00〜19:30 | 夕食 |
| 19:30〜21:00 | 勉強(25分+5分休憩を3セット)。スマホは充電場所に |
| 21:00〜21:30 | スマホの時間(タイマーで30分) |
| 21:30〜22:00 | 入浴 |
| 22:00〜22:30 | 自由時間(スマホ以外)・明日の準備 |
| 22:30〜23:00 | 寝る準備。スマホは見ない |
ポイントは、スマホの時間を勉強の「あと」に置くことです。先にスマホを見ると、勉強を始めるまでに時間がかかりやすくなります。
保護者の方へ:家庭でのスマホのルールの決め方
スマホのルールは、保護者が一方的に決めるよりも、子どもと話し合って一緒に決めるほうが守られやすくなります。「なぜそのルールが必要なのか」を子ども自身が納得していることが大切です。
話し合って決めておきたいこと
- 使う時間:平日と休日、テスト前でそれぞれ何分か
- 使う場所:自分の部屋に持ちこむか、リビングだけにするか
- 夜の置き場所:何時になったら、どこで充電するか
- 守れなかったとき:翌日の時間を短くするなど、あらかじめ決めておく
- 見直す時期:1か月後やテストのあとなど、ルールを見直す日を決める
決めたルールは紙に書いて、家族が見える所にはっておきましょう。保護者の方も、食事中は家族全員がスマホを置くなど、一緒に守れるルールを入れると、子どもも受け入れやすくなります。
ルールを守れた日には、「今日は時間どおりにできたね」と声をかけてあげてください。注意するよりも、できたことを認めるほうが、自分で時間を管理する力が育ちます。
まとめ
- 集中できないのは意志が弱いからではない。がまんしなくてすむ仕組みをつくる
- 勉強中のスマホは別の部屋か、目に入らない場所へ。通知も切る
- 使う時間は先に決めて、勉強のあとのごほうびにする。寝る前は使わない
- 25分集中+5分休憩で、短い集中をくり返す。休憩はスマホ以外で
- 家のスマホのルールは、家族で話し合って一緒に決め、見える所にはる
「何をどれだけやればいいか」が決まっていると、スマホに手がのびる前に勉強を始めやすくなります。その日にやる問題を自動で用意してくれる学習アプリを、勉強の入り口として使うのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 勉強中、スマホはどこに置けばいいですか?
いちばんのおすすめは、勉強する部屋とは別の部屋に置くことです。むずかしい場合は、カバンの中や引き出しなど、目に入らず手がすぐに届かない場所に、通知を切ってしまっておきましょう。机の上に画面を下にして置くだけでは、気になりやすいままです。
Q. 25分勉強して5分休むやり方は、本当に効果がありますか?
時間を区切ると「あと少しでおわる」と思えるので、集中を保ちやすくなります。ただし25分は目安なので、集中が続きにくい人は15分から始めてもかまいません。休憩中にスマホで動画を見はじめると戻りにくくなるので、休憩はスマホ以外ですごすのがおすすめです。
Q. 家でスマホのルールを決めるとき、どうすればうまくいきますか?
保護者が一方的に決めるより、子どもと話し合って一緒に決めるほうが守られやすくなります。使う時間・場所・夜にスマホを置く場所などを紙に書いて見える所にはり、守れなかったときの約束や、見直す時期も決めておきましょう。
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